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10.31
Fri
<前回に続く>

■それでは0~74歳が必要とするのは、どのような医療であろうか。それは従来の急性期医療、云い方を変えれば、治癒を目的とする医療である。技術を尽くして患者を徹底治療する医療であり、病気やケガが治れば元の生活に戻れることがほとんどである。

■一方、75歳以上が必要とするのは、どのような医療であろうか。後期高齢者も従来型の急性期医療を必要とする場面は少なくないが、主に必要とするのは病気は完全に治らなくとも、地域で生活を続けられるよう身体も環境も整えてくれるような「生活支援型医療」である。年齢が進めば進むほど、この傾向は強まる。

■複数の病気を抱えた高齢者が、完全には治らずとも地域で暮らし続けることを支える医療であり、今後このタイプの医療への需要が増える。

■このような医療の主な担い手は、かかりつけ医や、今春に新設された地域包括ケア支援病棟であろう。同病棟では患者(主に後期高齢者)が家や施設で調子が悪くなったときに、地域での生活復帰を意識したリハビリをしながら、病気と年齢や体力などを考慮した治療をする。

■さらに、高度医療機関からの在宅復帰を目指した患者を受け入れ、リハビリや継続的治療を提供しながら在宅復帰を目指すことや、地域での看取り医療も、重要な役割である。

■このように我が国全体でみれば、従来の急性期病床の需要は2030年度以降、急速な減少見込まれる一方、生活支援型医療の需要は都市部を中心に急速に増大するので、従来型の急性期病床から、生活支援型病床や介護施設への転換が必要となる。

<次回に続く>
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